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「遙か 遙か3」
【九郎×望美】

噤(つぐ)まれた一言

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噤(つぐ)まれた一言 【九郎×望美】



*** ***

熊野設定のお話です。
思うに、九郎さんって現代でいうところの『体育会系』だと思うんです。
コレ書いてた時に、脳裏で『バンカラ九郎』を独りで妄想して喜んでいたのはヒミツですww

あ、間違っても内容はギャグじゃないです;
一応シリアスで、九郎さんがヤキモチ焼いちゃう話です。
当然甘々仕様でw

*** ***







熊野で過ごす最後の夜。
九郎は速玉大社の境内で一人、剣を振っていた。

「…チッ!」

一向に集中力の定まらないその剣筋にもとより燻(くすぶ)っていた苛立ちが更に輪を描いて酷くなった。
気持ちを落ち着けるどころではない。
それというのも全て、昼間帰って来た望美の姿を見てからだ。
いつもとは違う着飾った姿にどきりと胸を高鳴らせた─────が、すぐにそれは消えた。
良く見ると着崩れた着物と、赤く腫れの残る目許。
何かあったに違いないというのに、望美は笑って何も無いと言い張った。
無理が見て取れる痛々しい作り笑いに、九郎ならずとも皆深く言及するものはなかった。
九郎は拳を握り締め、身を翻すとそのまま皆の元を離れた。
望美の顔をまともに見ることが出来なかった。
部屋に戻り、握り締めた手を開くと、掌に食い込んだ爪の傷跡が鈍い痛みを伝えた。



雑念を振り払うには剣を振るうのが一番。
九郎はそうして自分自身と向き合い、見つめ、己を高めてきた。
だが、胸の中に巣くう蟠(わだかま)りは一向に晴れる気配を見せない。
目を閉じて浮かんでくるのは望美の姿。
気丈に振舞いながらも震えていた小さくか細い手を、九郎は見逃しはしなかった。
何に涙を流したのか…
誰が望美を泣かせたのか…
如何して自分はその場にいてやれなかったのか……
考えた所で途方も無いことばかりが思考回路を巡っていく。
今、こうしている間にもまた泣いているのかもしれない…
思うより早いか、気付くと九郎は望美の休む部屋を足早に目指していた。



「望美…起きてるか?」

灯りの消された部屋の前、なるべく抑えた声で静かに訊ねると微かな物音がした。
近づく足音に鼓動が早鐘を打った。
そっと開けられた扉の中から現れた望美は、夜着を纏い少し驚いたように九郎を見上げた。

「九郎さん、如何したんですか?」

「夜分遅くにすまない。少し話したいんだが…良いか?」

顔が火照るばかりで上手く望美の顔を見れぬまま九郎は視線を泳がせた。
望美は不思議そうに大きな瞳をぱちくりさせ、どうぞ、と九郎を部屋の中へと促した。



張り詰めた沈黙が支配する部屋の空気は重たい。
戸惑いを隠せないのは望美も同じだった。
帰ってきてからというもの、九郎には明ら様に避けられていた。
熊野別当の為に『姫君』らしく着飾り、大人しく振舞えと望美に言った張本人だというのに、宿に戻っても別当については何も触れてこない。
源氏の為に『龍神の神子』を最後まで身売りさせれば諦めもつく。
何とも想われていないから別当に好かれて来いと言われているのだと思った。
神泉苑では法皇から守ってくれた九郎に、望美が淡い想いを抱きだしたのも遠い昔の事のようだ。
もし…誰かの姫になるのなら、その相手は九郎だったらいいのにと望美は思っていた。
だから、朔に着付けてもらった姫君の姿を、九郎に一番に見て貰いたかった。
他の八葉よりも誰よりも先に九郎に…
結果としてそれは叶わず、しかも危うく誘拐されそうにはなるは、それを助けてくれたヒノエが熊野別当だったなんて、次から次へと如何したらいいのか分からなくなる事ばかりだ。
ヒノエに見せた涙はただの八つ当たり。
助けて貰ったのに最低だと無性に腹が立ち、余計に涙が溢れてきた。
望美は襲われた事も、ヒノエに助けて貰った事も、九郎に告げるのには気が引けた。
ヒノエが自分で皆に話すまでは黙っているのが、せめてもの義理立てに、そして、九郎が望美に姫の格好をさせた所為で襲われたと気に病まないようにと。

「望美…」

呼ばれた名前に、望美は現実へと引き戻された。
心配そうに眉間に皺を刻み、顔を覗き込んでくる九郎に、望美は慌てて大丈夫と取り繕った。

「話って何ですか?…あ、熊野の別当のことならごめんなさい。私じゃやっぱり気に入ってもらえなかったみたいで、源氏の見方に熊野は付けないって… あ、でもね、平家にも付かないで中立でいるって約束して─────」

「─────そんな事は如何でもいいっ!」

身を乗り出し、硬く一文字に閉じられた口唇…はすぐにパクパクと言葉を探し始めた。

「いや、その…怒鳴るつもりじゃなかったんだ。お前に全部任せきりにして、心細い思いもしただろう… すまん、どうも俺は言い方が悪いな。熊野の事は誰が悪いわけでも、ましてお前が悪いわけでもない。中立を約束できたなら上々だ…あ、いや…そんなことを言いに来たんじゃないんだ」

言葉を模索する九郎の顔を、望美は不思議そうに覗き込んだ。
どうしたんですか?と小首を傾げる仕草はきっと無意識だろうと分かっていても、可愛らしい。
大きな瞳が数回瞬くのを見て、九郎の理性がぷつりと音を立てた。
望美の細い肩を抱き寄せ、すっぽりと包み込む。
鼻腔を擽(くすぐ)る甘い香りに既に酔いが回りだしているような感覚すら芽生え、九郎は抱き締める力を強くした。

「馬鹿っ、そんな顔をされて平気でいられるほど、俺は出来た男じゃないんだ」

「九郎さん…?」

耳に掛かる九郎の吐息が熱く、それだけで望美の心臓は高鳴った。
ぴたりと躰が密着する今、きっと九郎にも鼓動が伝わっているだろうと思うと、恥しさで溶けてしまいそうだ。

「帰って来てからお前の様子がどこかそぞろで、心配だったんだ。何があった?俺ではお前の頼りにはならないか?」

優しい声が望美の心に染み入っていく。
九郎の胸の中で大きく首を横に振り、キュッと着物にしがみ付いた。
溢れてくる涙を止める術を見出せないまま俯く望美を大きな手がそっと撫でる。
普段はぶっきら棒で、決してこんな真似はしない九郎が見せる彼本来の優しさに、望美は少し狡いと思いながら今だけは…と甘えた。

「やっぱり、お前を一人にさせるべきじゃなかった。」

「ごめんなさい…九郎さんの役に立てなくて…」

「そうじゃない。それは如何でもいいと言っただろう?そうじゃなくて…嫌だったんだ。望美が他の男の元へ行くのも、着飾っていつもと違うお前が俺以外の奴に見られるのも…全部、嫌だ」

子供が駄々を捏ねるそれのように九郎は望美を掻き抱いた。
誰にも渡したくないと、気付いた気持ちに歯止めなど効く筈も無くあふれ出すばかり。
そして、煩いほどに高鳴る心音は九郎も同じなのだとようやく望美も気付いた。
「私だって…私だって九郎さんじゃない人の所になんて行きたくないです。九郎さんじゃなきゃ嫌…」
真っ赤に染まった頬が愛らしく、九郎は小さな顎先を捕らえると、熟れた口唇に自分のそれをそっと重ねた。
想像していたよりもずっと柔らかく、暖かく、甘美な望美の口唇から、名残惜しげに距離をとる。

「今更俺の勘違いと言われても、もう引き下がれんからな?」

「分かってます。九郎さんこそ、私が姫らしくないって言っても離れてあげませんからねっ」

むきになって尖らせた口唇に再び軽く口付けを落とし、九郎は柔く瞳を細めた。
愛しさを持て余す手は望美の細腰をしっかりと抱き寄せ、もう片方の手でさわり心地のよい髪を梳く。
するりと零れ落ちる髪を梳いては掬い、また梳く。
それが心地良いのか、望美は瞳をとろりとさせながら九郎の逞しい胸板に頬を擦り寄せた。

「手離せる筈が無いだろう?お前は美しい…」

「いつもはじゃじゃ馬って言うくせに」

「なっ、そ、それはお前が……いや、確かにこの世界の姫君とは違うかもしれないが、それでも俺が傍にいたいと願うのは望美、お前だ。望美らしくいてくれればいい。少々危なっかしいところは否めないが、俺がお前を守る」

「九郎さんって、意外とフェミニストですよね」

聞き慣れない言葉に首を傾げる九郎に、望美は何でもありませんよと笑みを返した。
訝しげな顔の丁度真ん中、寄せられた眉間の皺につんと人差し指を乗せ、望美は艶やかに微笑む。

「守られるばっかりは嫌ですよ。私も、九郎さんのこと守りますからね」

「あぁ…お前にならどんな時でも俺の背を任せられる」

絡み合った視線は徐々に距離を縮め、再び二人の口唇が重なる。
想いも、温もりも確かなものとして交わす口付けの後、九郎は何度も飲み込んできた言葉を望美の耳にそっと囁いた。
『愛している』と。







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